[日時]
2014年5月10日(土) 開場17:30/開演18:00
[会場]
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
[出演]
演奏：新声会合唱団
指揮：栁川 直則
ピアノ：松田 怜
[プログラム]
クラブ・ソング
追悼 混声合唱組曲「人の林で」より 作詩／塔 和子 作曲／栁川 直則
音
Ⅰ．ＭＯＴＥＴＴＥＮ 作曲／バッハ
Jesu, meine Freude
Sei Lob und Preis mit Ehren
Ⅱ．混声合唱組曲「太海」にて 作詩／間所 ひさこ 作曲／多田武彦
トンビ
仁右衛門島
春のうた
とんがり山
坂
蒼き巌の行進
桃色の貝
─── 休憩 ───
Ⅲ．清水 脩 混声合唱組曲集
「農民のうた」 作詩／猪狩 満直
種選り
馬橇
吹雪の夜の会話
「亡き人に」 智恵子抄より 作詩／高村 光太郎
Ⅳ．立原道造の詩による混声合唱組曲 作詩／立原 道造 作曲／栁川 直則
「夕映の中に」（混声版初演）
浅き春に寄せて
初冬
晩春
夕映の中に
アンコール
中原中也の詩による混声合唱組曲「幻影」より 作詩／中原中也 作曲／栁川直則
サーカス
☆ひとこと感想☆
【富】の歌の仲間というよりも、普段は陰で支えて下さっている部長さんの所属する
団体の演奏会を聴かせていただいた。この会場は、２度（一昨年は伝承ホール、昨年は
さくらホール）ほど【聖】のメンバーとしてオンステしているのですぐにわかる・・・
と甘く考えたのが間違いだった。初めて利用する渋谷の東横線改札から出て、疑いなく
会場に向かうがなかなか着かない。迷った挙句、結局、ヒカリエの駐車場を整理している
男性に聞いて、それでもわからなくなって、原点に戻ってモヤイ像から始めたら簡単に
到着した。渋谷駅から要した時間は、信じられないことに４５分。後からチケットの裏を
見ると、行き方が文章でちゃんと書いてあるではないか。気付くのが遅かった。
早目に着いていたのが幸いして、開場前に到着して事なきを得る。というわけで、
気を取り直して演奏を聴くことに。
クラブ・ソングという自分たちの歌についての思いを歌った歌から始まる。
きっと指揮者で作曲もされている栁川先生が作られた曲なのだろう。
追悼「人の林で」は、昨年お亡くなりになった詩人の塔和子さんを偲んでの
演奏。栁川先生と縁のあった方だそうで、演奏後の拍手はなしで行った。
Ⅰ．ＭＯＴＥＴＴＥＮの一曲目は昔某所で歌ったことがあるような気がする。
バッハのモテットはいつか真面目に取り組みたい題材なので、とても勉強になった。
テノールの高音が届ききれていなかったのが残念だった。この手の曲のテノールは、
ファルセットと実声を行ったり来たりする勇気とそれを実現する練習が必要なのだと
個人的に思う。
Ⅱ．「太海」にては、多田さんの混声合唱曲。とても良い曲だとは思うの
だが、やはり多田さんの響きは男声で効果を発揮するのだなぁと改めて感じた。
終曲のメゾソプラノのソロがとても綺麗な声で素敵だった。
Ⅲ．清水脩～は、古き良き合唱音楽の良さを感じる響き。多田さんの師匠とは
言っても、２人の作曲家でこれだけサウンドが違うというのは新しい発見だった。
「吹雪の夜の会話」のレチタティーヴォのような男女の掛け合いが面白かった。
Ⅳ．立原道造～は、指揮者兼作曲家の栁川先生の作品である。ピアノが入って
華やかさが増し、繊細な音の動きが印象的だった。元々女声合唱のために作った曲
だそうだが、混声でも十分に楽しむことが出来た。この演奏会のサブタイトルが、
「その詩に焦がれて」となっていたのであるが、正にそのコンセプトにぴったりの
ステージだったと思う。
このコンサートで懐かしさを感じたのが、本割終了後の団員から指揮者への花束
の贈呈だ。最近ではあまり見なくなったが、僕が学生の頃は、それが学指揮であっても
必ず団員から花束を渡していた。そういう習慣もいつの間にかなくなっているのだなぁ
と最後にしみじみと思った。
(2014.5.13 記)
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